するするスルルーの由来は?名前の意味・沖縄発祥の背景と、本土との違い

沖縄らしい青い海とサンゴ礁の岩場(左)と、松のある本土の海岸の岩場(右)がひと続きの海でつながり、中央の海面でキビナゴの群れが光る水彩イラスト
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「するするスルルーの『スルルー』って何のこと?」「誰が始めた釣りなの?」「本土でもできるの?」――釣りを始めると、名前の由来や成り立ちが気になってくると思います。

先に結論をお伝えします。「スルルー」は沖縄の方言でキビナゴで、「するする」はウキ止めを付けない全遊動仕掛けから来た名前とされています。沖縄で確立された釣りで、ダイワの製品ページは与那嶺功さんを「発案者」、琉球新報は「開発者の1人」などと紹介しています。ただし、始まった年や、発案の経緯を示す資料は確認できていません。この記事では、分かっていることと、分かっていないことを分けて整理します。

この記事で分かること
  • 「スルルー」と「するする」の意味と、表記ゆれ
  • 発祥と歴史、人物について、報道で分かる範囲と分からない範囲
  • 沖縄と本土の違い(本土は、出典のある解説記事の範囲)

どうも、琉球釣遊会です。沖縄在住で釣り歴は20年以上、するするスルルーは10年以上続けています。

私がするするスルルーを知ったきっかけは、与那嶺功さんを特集した雑誌「釣り王国」の記事を読んだことです。

なお、私は本土の釣り場でするするスルルーをしたことがありません。本土の話は、解説記事や報道に基づく内容で、出典を示します。出典がなく、確認できていないことは「確認できていません」と書きます。

するするスルルーの全体像は、するするスルルー(スルルー釣り)とは?にまとめています。この記事は、その名前の意味と成り立ちを掘り下げたものです。

この記事を書いた人

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目次

先に整理|分かっていること、確認できていないこと

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項目分かっていること確認できていないこと
「スルルー」沖縄の方言でキビナゴキビナゴを「スルルー」と呼ぶようになった経緯
「するする」ウキ止めを付けない全遊動から来た名前とされる(複数の解説)名付けた人の発言など、一次資料
発祥沖縄で確立され、全国に広がった釣りと報道されている始まった年、発案の経緯
人物与那嶺功さんは、ダイワの製品ページで「発案者」、琉球新報で「開発者の1人」「第一人者」などと紹介されている。与古田直次さんは、琉球新報(2007年)で「パイオニア」と紹介されているいつ、どのように考案したか。ほかに関わった人

「スルルー」の意味|沖縄の方言でキビナゴ

「スルルー」は、沖縄の方言でキビナゴのことです。方言データベースのJLectにも、琉球(沖縄)の言葉として、「するるー」=キビナゴの項目があります(出典:JLect)。琉球新報の「沖縄用語辞典」にも「スルル」の項目があり、「キビナゴ」を参照する形になっています(出典:琉球新報「沖縄用語辞典」スルル)。

キビナゴは、するするスルルーで、撒き餌(マキエ)と付け餌(サシエ)の両方に使う小魚です。なお、キビナゴを「スルルー」と呼ぶようになった経緯は、確認できていません。

「するする」の意味|ウキ止めを付けない全遊動

「するする」は、ウキ止めを付けない全遊動(ぜんゆうどう)仕掛けから来た名前とされています。ウキ止めとは、道糸にウキを固定するストッパーのことです。これを付けないと、ウキが道糸の上を自由に動き、仕掛けが潮に乗って、道糸がするすると出ていきます。

この由来は、ダイワの剛徹の製品ページ、釣具のイシグロ沼津店のブログ、釣りの情報サイトのTSURI HACK、釣具のポイントなどの解説で、同じように説明されています。ダイワの製品ページは、「全遊動仕掛け(するする)」と書いています(出典:ダイワ 剛徹、釣具のイシグロ沼津店ブログ、TSURI HACK、釣具のポイント)。釣具のポイントは、仕掛けを滑らせるように落とす全遊動の動きから、と説明しています。

ただし、この名前を付けた人の発言など、由来を裏づける一次資料は、確認できていません。どれも、メーカーや販売店、メディアによる解説です。そのため、当サイトでは「〜とされています」と書いています。私が沖縄で釣りをするときは、全遊動が基本です。ウキの選び方はするするスルルーのウキ選びとおすすめウキで解説しています。

「するするスルルー」の名前の意味。「するする」はウキ止めを付けない全遊動仕掛け、「スルルー」は沖縄の方言でキビナゴ。表記ゆれ(スルスルスルルー、スルスルするるー、SFG)も示した図

表記ゆれ|「スルスルスルルー」「スルスルするるー」

この釣りは、表記が複数あります。検索するときは、ご注意ください。

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表記見られる場所
するするスルルー当サイト。ダイワの剛徹(ロッド)の製品ページ。琉球新報(2020年7月24日の見出しは「するするスルルー釣り」)
スルスルするるー琉球新報(2015年5月26日の記事中)
スルスルスルルーダイワのXFG(エクストリームフカセゲーム)特設ページ
スーパーフカセゲーム(SFG)釣りビジョン マガジンの記事で、「近年はSFGとも呼ばれる」と説明(1記事のみ確認)

出典:琉球新報(2020年7月24日)、琉球新報(2015年5月26日)、ダイワ XFG特設ページ、釣りビジョン マガジン

発祥と歴史|沖縄で確立され、全国へ広がった釣り

するするスルルーは、沖縄で確立された釣り方と報道されています。琉球新報の2015年5月26日の記事は、キビナゴを餌に全遊動仕掛けで大物を狙う、沖縄で確立された釣り方として紹介しています。2020年7月24日の記事は、「沖縄から全国に広がった釣り方」と紹介しています(出典は、前の表の下に記載した琉球新報の2本)。釣具のポイントの解説(2024年4月24日)も、発祥は沖縄で、現在は西日本を中心に全国へ広まったとしています(出典:釣具のポイント)。

いつ始まったかは、確認できていません

「いつ、どこで、どのように始まったか」を書いた資料は、私が調べた範囲では見つかりませんでした。確認できた最も古い報道は、琉球新報の2007年8月10日の記事です。この時点で、するするスルルー釣りは新聞で取り上げられていました。2007年より前の資料は、確認できていません。

確認できた報道や記事を、年表にまとめました。

するするスルルーについて確認できた報道・記事の年表。2007年に琉球新報が与那嶺功氏と与古田直次氏を「パイオニア」、2015年に「開発者の1人」、2020年に「第一人者」と紹介。2023〜2024年は本土の解説記事。始まった年は確認できていない
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時期確認できた報道・記事
2007年8月10日琉球新報が、与那嶺功さんと与古田直次さんを「パイオニア」と紹介
2015年5月26日琉球新報が、沖縄で確立された釣り方と紹介。与那嶺功さんを「開発者の1人」と紹介
2020年7月24日琉球新報が、「沖縄から全国に広がった釣り方」と紹介。与那嶺功さんを「第一人者」と紹介
2023年10月〜2024年9月本土(和歌山県南紀、伊豆半島など)で試した例の解説記事(釣りビジョン マガジン、TSURI HACK、釣具のポイントなど)

この年表は、私が確認できた範囲です。ほかにも資料がある可能性はあります。

考案者は誰?|メーカーは「発案者」、報道は「パイオニア」「開発者の1人」と紹介

「考案者は誰?」と気になる方は多いと思います。結論から言うと、与那嶺功さんは、メーカーの製品ページでは「発案者」、琉球新報では「開発者の1人」などと紹介されています。ただし、いつ、どのように考案したか、ほかに関わった人がいるかを書いた資料は、確認できていません。紹介のされ方は、次のとおりです。

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掲載日見出し紹介のされ方
(製品ページ。日付の記載なし)ダイワ「剛徹(ロッド)」「するするスルルー釣法発案者の与那嶺氏完全監修」と記載(メーカーの製品紹介)
2007年8月10日苦労の末、納得の1匹 釣り人のみ知る“重さ”与那嶺功さんと与古田直次さんを、するするスルルー釣りの「パイオニア」と紹介(慶良間諸島での釣行の記事)
2015年5月26日奥武の6番で大物ヒット与那嶺功さんを、この釣りの「開発者の1人」と紹介
2020年7月24日するするスルルー釣り与那嶺功さんを、この釣りの「第一人者」と紹介

出典:ダイワ 剛徹(ロッド)、琉球新報(2007年8月10日)、琉球新報(2015年5月26日)、琉球新報(2020年7月24日)

表現は、資料ごとに違います。ダイワの製品ページは「発案者」と書いています。琉球新報の2015年の「開発者の1人」は、複数の人が関わっている書き方です。2007年の記事は、2人を「パイオニア」と紹介しているだけで、「2人が開発した」とは書いていません。琉球新報の3本には、誰が最初に考案したか、いつ考案したかは、書かれていません。

ウェブ記事などでは、「考案者」と書かれることもあります。当サイトでは、「考案者」と言い切らず、メーカーの紹介と報道での紹介を、そのままお伝えします。製品ページはメーカーの紹介文で、考案の経緯を説明したものではないためです。なお、ここで紹介したお二人のお名前は、ダイワの製品ページと琉球新報の記事に基づくもので、ご本人に確認したものではありません。

沖縄と本土の違い|仕掛け・潮・エサ・魚

沖縄発祥のするするスルルーは、本土でも試されています。違いを、表にまとめました。本土の列は、私の体験ではなく、各記事の筆者の例です。当サイトの推奨ではありません。釣り場の条件で、結果は変わります。

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項目沖縄(私)本土(解説記事の例)
仕掛け全遊動が基本。水深が5m以下のポイントで、半遊動でアオチビキを釣った経験もある伊豆半島の地磯で、流れが弱く刺し餌が真下に落ちて、ウツボやエイが掛かりやすくなったため、ウキ止めを付けた半遊動に変えた例(TSURI HACK)
潮沖へ払い出す潮と、水深5m以上を目安にしている(釣り場の選び方)速い潮流(本流)が前提とされる。南紀の例は、水深があり潮通しのよい場所を選んだ(TSURI HACK、釣りビジョン マガジン)
釣り場慶良間諸島の磯など伊豆半島の地磯、和歌山県白浜町の磯(シオフキ)の例
エサキビナゴ。3kgパックが比較的簡単に入手できるキビナゴ。カタクチイワシでも代用できるとする例(TSURI HACK)。入手の違いはピラー記事の比較表
釣れた魚タマン、ガーラ、アカジンなど(釣れる魚と時期)伊豆の例はシブダイ、タマン、イスズミ、イサキ。南紀の例は尺アジ、マダイ(50cm)
竿4〜5号、5m前後が目安南紀の例は4号の磯竿。イシグロ沼津店は、5号の遠投竿を使う筆者の例
時期8月〜11月と3月〜4月が釣れやすい(私の実感)水温が上がる夏から秋が本番とする解説(釣具のポイント)

出典:TSURI HACK(2024年9月30日更新)、釣りビジョン マガジン(2023年10月22日)、釣具のイシグロ沼津店ブログ、釣具のポイント(2024年4月24日)

本土で半遊動に変えた例|TSURI HACKの記事より

TSURI HACKの記事では、するするスルルーは速い潮流(本流)が前提の釣りで、潮に撒き餌を乗せて広い範囲から魚を集める、と説明されています。筆者が釣りをする伊豆半島の地磯は、速い潮流が少なく、流れのない場所では刺し餌が真下に落ちて、ウツボやエイが掛かりやすかったそうです。そこで、ウキ止めを付けた半遊動仕掛けに変えたと書かれています。

半遊動とは、ウキ止めを付けて、ウキから針までの深さをあらかじめ決めておく仕掛けです。全遊動と違い、仕掛けが沈む深さが決まります。沖縄の私は全遊動が基本ですが、水深が5m以下のポイントで、半遊動でするするスルルーをして、アオチビキ(沖縄の地方名はオーマチ)を釣った経験はあります。ただし、本土の釣り場の条件は分からないため、半遊動の仕掛けや使い分けは、この記事では解説しません。

本土で試すときに知っておきたいこと

  • 潮の流れを確認する:本土の例では、潮の速さが仕掛けの選び方に影響していました。釣り場の潮の条件は、現地の釣具店や、その釣り場に詳しい方に確認するのが確実です
  • 磯・堤防のルールを確認する:立入禁止や渡船の利用は、地域・漁協ごとに異なります。釣行前に必ず確認してください。安全面はするするスルルーの釣り場の選び方で解説しています
  • エサの入手を調べる:キビナゴの入手のしやすさは、地域で違います。撒き餌とキビナゴの付け方はするするスルルーの撒き餌・キビナゴの付け方をご覧ください

よくある質問(FAQ)

Q1. 「スルルー」とは何ですか?

沖縄の方言で、キビナゴのことです。するするスルルーでは、撒き餌と付け餌の両方に使います。

Q2. するするスルルーの考案者は誰ですか?

ダイワの製品ページは、与那嶺功さんを「発案者」と紹介しています。琉球新報は、与那嶺功さんを「開発者の1人」「第一人者」、与那嶺功さんと与古田直次さんを「パイオニア」と紹介しています。いつ、どのように考案したかを書いた資料は、確認できていません。

Q3. いつ始まった釣りですか?

沖縄で確立された釣り方と報道されていますが、始まった年を示す資料は確認できていません。確認できた最も古い報道は、琉球新報の2007年8月10日の記事です。

Q4. 本土でもできますか?

伊豆半島や和歌山県南紀などで試した例の解説記事があります。ただし、潮の速さなど、釣り場の条件で仕掛けを変えた例もあります。私は本土でしたことがないので、実際の釣り場の条件は、現地で確認してください。

Q5. 「スルスルスルルー」と「するするスルルー」は違う釣りですか?

同じ釣りを指す表記ゆれとして見られます。ダイワの特設ページは「スルスルスルルー」、琉球新報は「するするスルルー」「スルスルするるー」と書いています。

【まとめ】名前の意味と成り立ちの3つのポイント

  • 「スルルー」は沖縄の方言でキビナゴ、「するする」はウキ止めなしの全遊動から来た名前とされる(由来を裏づける一次資料は確認できていない)
  • 沖縄で確立され、全国に広がった釣り。ダイワの製品ページは与那嶺功さんを「発案者」、琉球新報は「開発者の1人」、与那嶺功さんと与古田直次さんを「パイオニア」と紹介。始まった年や発案の経緯は、確認できていない
  • 本土では、潮の速さで仕掛けを変えた例がある。沖縄は全遊動が基本。本土の情報は、解説記事の例で、釣り場の条件を現地で確認する

名前の意味や成り立ちが分かると、この釣りの特徴も見えてきます。全体像はするするスルルー(スルルー釣り)とは?、魚と時期はするするスルルーで釣れる魚と時期が参考になります。

沖縄らしい青い海とサンゴ礁の岩場(左)と、松のある本土の海岸の岩場(右)がひと続きの海でつながり、中央の海面でキビナゴの群れが光る水彩イラスト

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