するするスルルー歴10年以上の筆者が沖縄発祥の豪快な釣り『するするスルルー』について解説します。
沖縄ではすっかりメジャーな釣りなりましたが、日本本土でも人気が高まってきている釣りです。
するするスルルーは釣れる魚も大型魚で美味しい魚ばかりなので、釣って楽しい、食べて美味しい釣りと食の両方を満喫できる釣りです。
仕掛けはウキ釣り仕掛けにきびなごを刺しエサにするという手軽な釣りでありながら、いきなり大物が掛かってくるドキドキ感は釣り人を魅了します。
本記事では、するするスルルーの基本、仕掛けや使用するタックル、釣り方等について詳しく解説していきます。
これからするするスルルーを始めようと思っている方はまずはこの記事を読んで下さい!
- するするスルーとは、ウキ止めを使わずに完全誘導仕掛けで行うフカセ釣りの一種
- 沖縄で生まれたするするスルルーは、全誘導仕掛けにキビナゴをつけて大型のフィッシュイーターを狙う釣り!
- 回遊魚から根魚まで色々な魚種が狙える!
- 竿やリールは大きな魚の強烈な引きにも耐えるするするスルルー専用のものを使った方が良い!
- 仕掛けはシンプルなので、ラインと針が結ぶことができれば初心者でも簡単にできる!
するするスルルーとは?
するするスルーとは、ウキ止めを使わずに完全誘導仕掛けで行うフカセ釣りの一種です。
ウキ止めを付けない全誘導の「するする」仕掛けにスルルー(=沖縄の方言で「キビナゴ」)をエサに付けて潮の流れに乗せてフィッシュイーターとなる10kgクラスの魚を狙う沖縄発祥の釣りです。
今では西日本を中心に全国へと広まっており、するするスルルー専用ロッドも増えてきています。シンプルな仕掛けで大型魚が釣れる豪快さが特徴です。仕掛け作りが簡単なので初心者でも簡単に楽しめる釣りです。
沖縄では15年以上前から流行していた釣りですが、本土にもこの釣り方が流行して“スーパーフカセゲーム(SFG)”とも呼ばれてます。
大物向けの道具で楽しむフカセ釣りのイメージで、本州の大型魚にも効果的です。
釣り方は簡単で刺し餌にスルルー(キビナゴ)をつけ、撒き餌としてもスルルーを撒きます。
刺し餌と撒き餌のスルルーを同調させ、撒き餌に寄ってきた魚を釣ります。
考案者の与那嶺功(よなみねいさお)さんのするするスルルーの動画をYoutubeなどでご覧頂ければ分かると思いますが、するするスルルーは非常に豪快な釣りで、掛かる魚も大きい魚や高級魚ばかりです。
するするスルルーで釣れる魚
するするスルルーでは、フィッシュイーター(魚を捕食する魚)であれば、回遊魚から根魚まで基本的に何でも釣れます。
沖縄にはタマンやガーラといった魅力的なターゲットが複数存在し、20kgを超えるような魚が掛かることもあります。釣り場の最大サイズをイメージしながら糸の太さや竿の強さを選ぶと良いでしょう。
日本本土では、ハマチやカンパチといった青物系からマダイなどの高級魚、ハタ系の大型の底物系までさまざまな魚が釣れます。
- カツオ
- アオチビキ
- カンパチ
- マダイ
- ロウニンアジ(ガーラ)
- ハマフエフキ(タマン)
- バラフエダイ(アカナー)
- ミーバイ・クエ
筆者もするするスルルーをやっていますが、これまでタマン等を釣った実績があります。
するするスルルーに必要な道具
- 竿
- リール
- ウキ
- ハリス
- 針
- シモリ玉
するするスルルーに必要な道具はウキ・フカセ釣りに必要な道具と変わりはありません。
ただし、するするスルルーで掛かる魚は大きい魚ばかりなので、タックルはフカセ釣りよりもヘビーで強力なものが必要になります。
するするスルルー専用の道具を新品で全て揃えようとすると10万円以上はかかってしまいます。
するするスルルーで不意の大物がかかっても安心してやり取りができるパワーや仕掛けを流しやすい操作性を備えている必要があるので、本格的にするするスルルーのタックルを揃えようとすると竿やリールは高価なものが必要です。
安い竿やリールを使って始めることもできますが、大物が掛かった時に竿が折れたり、リールの巻取り力が足りなくてなかなか巻き取れないなどの不安な点があります。
するするスルルーを本格的にやると決めたのであれば、最初からしっかりとした専用のタックルを備えることをおすすめします!
それでは、するするスルルーに必要な道具について個別具体的に説明します。
するするスルルーにおすすめのロッド
するするスルルーのロッドは、各メーカーから専用ロッドが発売されており、ロッドの号数は5号程度で、長さは5m前後の磯竿がメインです。
するするスルルーでは10キロクラスの魚が掛かるので、ロッドにはバットパワーが求められます。
するするスルルーでは、回遊魚だけでなく根魚もかかります。
海底付近で掛けた根魚は一気に根に向かって走るので、食わせた直後の一瞬で魚を獲れるか獲れないかの命運が決まります。
食わせた直後に竿のバットパワーで一気に先手を取り、魚を根からはがすことが大事です。
竿のパワーに加えて重要な要素が操作性!
するするスルルーは、フカセ釣りの部類に入るので、常に竿を持った状態で仕掛けをコントロールしながら魚のアタリを待ちます。
仕掛けを潮の流れに乗せて魚がいる所に餌を届けるために、仕掛けを100m以上流すこともあります。
操作性が悪いロッドで適切なラインメンディングができていないと、仕掛けが潮の流れから外れてしまい、釣れなくなってしまいます。
また、仕掛けを遠くまで流すための定期的なラインメンディングが釣果アップにも繋がります。
そのため、竿の操作性もするするスルルー用の竿に求められる重要な要素となります。
するするスルルーの竿は高いので、打ち込み釣りやブッコミ釣りの竿で良いのでは?
打ち込み釣りの竿は自重が重くガイドの数も少ないので糸ふけが出やすく、操作性が悪いです。
するするスルルーで快適に釣りをしながら釣果を出したい人は、するするスルルー専用の竿を買うのがベストです!
各メーカーから出ているするするスルルー専用ロッドは以下になります。
ここで紹介しているロッドについてはこちらの記事で詳しく説明しています。
するするスルルーにおすすめのリール
するするスルルーではスピニングリールを使用します。
するするスルルーのリールに求められる性能は巻取り力がある強いリールであることです。
また、大型魚が掛かった時にラインブレイクしないためにしっかりとドラグが効くリールであることも求められます。
安いリールでは大物が掛かった時に魚の引きに負けてラインが巻き取れず、またドラグが聞かないためにバラシてしまうリスクも高いです。有名メーカーの信頼のおけるリールを選ぶことをおすすめします。
リールのサイズは、ナイロンライン10号が約200m巻けるサイズがおすすめで、具体的には、シマノかダイワの10000番以上の番手のリールが良いです。
PEラインを使うのであれば、5〜6号の中から道糸を選ぶようにしましょう。基本的には太い方がおすすめです。
するするスルルーに求められる性能やスペックを満たしたおすすめのリールは以下のリールになります。
製品名 | 画像 | 価格 |
---|---|---|
1.シマノ ストラディックSW | 約4.8万円 | |
2.シマノ ツインパワーSW | 約6万円 | |
3.シマノ ステラSW | 約11万円 | |
4.ダイワ カルディア SW | 約2.5万円 | |
5.ダイワ セルテートSW | 約6.8万円 | |
6.ダイワ ソルティガ | 約12万円 |
ここで紹介しているロッドについてはこちらの記事で詳しく説明しています。
するするスルルーの仕掛け
するするスルルーの仕掛けはシンプルなので必要な道具さえあれば簡単に作れます!
- 道糸を竿のガイドに通した後、ウキを通します。(完全誘導仕掛けなのでウキ止めはつけません。)
- ウキの下に大きめのシモリ玉を通し、サルカンで止めます。
- サルカンにハリスを結んで、針を付けたら仕掛け完成!
実際に、するするスルルーの仕掛けを組むと以下のようになります。
するするスルルーの仕掛けにオモリは打つ?
付け餌の重さで仕掛けを沈めていきたいので、基本的に仕掛けにオモリは打ちません。
オモリを打つと仕掛けが撒き餌の層を突破してしまうので、極力、付け餌と仕掛けの重さだけで仕掛けを沈めていくようにします。
道糸もなるべく比重が重いものの方が扱いやすいので、初心者にはナイロンラインを選ぶと良いでしょう。
しかし、風が強くてどうしても仕掛けが入らない状況はあります。その際はオモリを打ちます。
するするスルルーにおすすめのウキ
するするスルルーは仕掛けを沖まで流す釣りなので、ウキはサイズが大きく視認性が良いものが必要です。
ウキのタイプは、糸落ちが良い管付きウキを使います。
号数は、浮力3号程度がおすすめです。
おすすめのウキは、
- 釣武者のデージ
- ビッグワン(与那嶺功さん使用)
これらのウキはサイズが大きく視認性が良いので、天気が良い時は100m沖まで流しても見えます。
おすすめのウキは下の記事で詳しく解説しています!
するするスルルーに必要な小物
するするスルルーに必要な小物は以下のとおりです。
それぞれの道具について説明していきます。
シモリ玉
シモリ玉はウキフカセ釣りで使うものよりも大きなシモリ玉を使います。
ウキスナップ
するするスルルーのカン付きウキにそのまま道糸を通して釣りをすることもできますが、糸通りを良くしたり、ウキ交換を素早く行うためにウキスナップを使用することを強く推奨します。
サルカン
太いラインを結ぶのでサルカンも大きいものを使用します。サイズは大型の1/0前後がおすすめです。
するするスルルーのハリス
するするスルルーの道糸はナイロンラインの10号を使用しますが、ハリスはフロロカーボンラインの12号〜18号を使用します。
長さは2〜3m程度とれば問題ないでしょう。大型の魚がかかった時にも対応できるよう、なるべく太いラインを使用するのがおすすめです。
するするスルルーの針
するするスルルーの針は強度の高いタマン針を使用します。針のサイズはタマン針18号〜20号を使用します。
するするスルルー発祥の沖縄では、針はがまかつのタマン針が人気です。
がまかつのタマン針にもいくつか種類がありますが、個人的には『タマンスペシャル』がおすすめ!食い込み抜群かつ強靭で折れにくいです。
タマン針より強度は少し落ちますが、するするスルルー専用の『ふかせスルルー』もおすすめです!
エサとなるキビナゴの姿勢が安定する長軸フォルムなので、キビナゴが針から外れにくくなっています。
高確率で口元掛けを実現する鈎先角度とスムーズなフッキングとホールド性を両立させたラウンドベンド形状により、掛けた魚を逃さない!
するするスルルーのエサの付け方はこちらの記事で説明しています。
キラキラビーズ
魚へのアピール効果を高めるためにハリスにキラキラのビーズを入れます。
ビーズと一緒にエサのスルルーが水中でヒラヒラと潮の流れに乗ると魚に大きくアピールすることができます。
バッカン
するするスルルーの餌となるキビナゴを入れるためにバッカンが必要です。
するするスルルーで1日に使うキビナゴの量は、6kgが基準なので、バッカンは40cmサイズのものがおすすめです。
柄杓(ヒシャク)
するするスルルーはマキエとしてキビナゴを杓で撒きますので、ウキフカセ釣りで使用する杓よりもカップが大きい杓が必要です。
キザクラの「スルルーシャク」は大きなカップのスルルー専用のヒシャク。
カップに穴が開いているので、マキエサの汁気を切りやすく、エサ離れも良い。
するするスルルーでは、キビナゴのみをエサにして釣るのが基本だが、集魚力を高めるためにイワシミンチやイワシ粉末を入れることもある。
エサ離れが良いこのスルルーシャクならそういったエサをマキエに入れてもエサ離れが悪くならない。
グリップも握りやすく滑りにくいEVAグリップとなっているので、重さを感じにくく疲れにくいです。
さらに、尻手管が夜光タイプなので、暗い時に釣りをする時もヒシャクが見えやすく、暗闇の中での釣りのストレスを低減してくれます。
するするスルルーのエサ
するするスルルーのエサはキビナゴを使用します(沖縄の方言で「スルルー」と言います)。
マキエでスルルーを撒き、サシエにもスルルーを掛けてマキエとサシエを同調させながら潮の流れに乗せて釣ります。
沖縄では3kgのキビナゴパックが比較的簡単に入手できますが、本土ではキビナゴは箱単位で入手するのは難しいようです。
・kg単位でネット購入
・釣り餌屋さんで300gくらいのパックで売ってるものを大量に買う
しかないみたいです。
本土の人はネットで購入しても良いでしょう!
ネットで買っても釣具店とそれほど値段は変わらず、餌の状態もいいのでネットで買うのもありです。
1,500円/kgほどになります。
マキエはスルルーだけでも良いですが、隠し味にイワシ粉末を混ぜるとより集魚力が高まります。
するするスルルーの撒き餌や付け餌の付け方についてはこちらの記事で詳しく解説しています。
するするスルルーの釣り場
するするスルルーに適した釣り場は、磯がメインです。磯であれば、地磯・沖磯のどちらでも可能です。ただし、流れのない磯では仕掛けを沖に送り込むことができないため、潮の流れのある釣り場で釣るようにしてください。
また、するするスルルーで釣りをする際は、潮の流れを読む能力が必須となります。潮の流れを見て仕掛けを投入する場所を見極める必要があります。潮の流れを読まずに適当に仕掛けを投入していては魚がいる場所まで仕掛けを運ぶことはできません。潮の流れを見て、沖に流れる潮に乗せて仕掛けを流すようにしましょう。
するするスルルーは堤防でもできる?
するするスルルーは堤防からもできますが、あまり潮が流れない堤防だと釣れる可能性は低いです。水深が深くて潮も流れる沖堤防であれば釣れる可能性は高いでしょう。
沖縄であれば那覇一文字であればするするスルルーでタマンやアカジンが期待できます。
するするスルルーで釣れる時期や時間帯
するするスルルーは、海水温が上がる夏から秋がシーズンになります。ただし、水温が上がりすぎる真夏は釣れる魚の活性が下がってしまうので、ベストシーズンは少し海水温の落ち着いた秋ごろになるでしょう。
沖縄では夏~秋に慶良間の磯でするするスルルーをする人が増えてきます。
また、するするスルルーの釣れる時間帯について、基本的にどの時間帯でも釣れますが、魚の食いつきが良い朝夕のマヅメ時を狙うのがおすすめです。潮止まりの時は釣れないので、潮が流れる朝夕のマヅメ時が一番狙い目です。
真夏の暑い時期は夜釣りで狙ってみるのも有効で、ナイトスルルーと言って夜の時間帯にするするスルルーで大物を狙う人もいます。
するするスルルーの釣り方
するするスルルーの釣り方の動作手順は以下になります。
- 撒き餌を潮上に撒く
- 仕掛けを潮下の5m先に投入
- 仕掛けを潮の流れに乗せてアタリを待つ
撒き餌は潮上に投入して、餌が広範囲に散らばるようにします。
その後、潮下の5m先に仕掛けを投入します。
仕掛け投入後は投入点から10m先まで仕掛けを流してみて、エサが残るかどうかを確認します。それで釣れないようであれば、エサをまく位置と仕掛けの投入位置をずらしていきます。
魚は撒き餌の中に突っ込んでくるので、流れが速い時などには、追い打ちの撒き餌が必要になってきます。
仕掛けの流し方について、基本的なライン操作は、ラインをウキの潮上に置きます。
するするスルルーではタナを決めずに、極力流れていく撒き餌のコース上に付け餌を置くような感じで流していきます。
付け餌を先行させて流しますが、その際に仕掛けを張るとどうしても仕掛けが浮いてしまいます。仕掛けが浮くと魚がいるタナまで仕掛けが入らないので、仕掛けにブレーキをかけないことがポイントです。
付け餌が潮を噛んで流れていくのを邪魔しないようにラインの操作することが重要ということです。
するするスルルーで狙うタナについては、狙う魚種により異なりますが、表層から下層まで広範囲に探っていきます。
一般的に底物の魚は底付近で喰ってくるというイメージがあるかもしれないですが、撒き餌を撒くことによって、浮いてくるケースが多々あります。底物狙いだからと底を重点的に狙うよりは、撒き餌と仕掛けを同調させて表層から丁寧に探っていく方が釣れる確率が高まります。
仕掛けを流している間はオープンベールで待ってリールから道糸が出る速度をコントロールするよう意識してください。
アタリがあればウキが一気に海中に消えてラインが放出されるので、アタリが出たらベールを戻して糸ふけを取りながら、勢いよく一気にあわせましょう。
Hitすると魚は一気に根に潜ろうとします。一度根に潜られてしまうとそこから引き上げるのは大変で、ラインブレイクの可能性も一気に増加します。そうならないためにも、フッキングに成功した後は多少強引にでも魚を引き上げるようにしましょう。
まとめ
今回紹介したするするスルルーは、沖縄で生まれた豪快な釣りで、磯から夢のような魚と出会うことができます。
いつどんな大物がかかるか分からないビッグゲームはハラハラドキドキで豪快な釣りで、大きい魚を釣りたいという釣り人の欲望を満たしてくれる釣りです。
今となっては沖縄だけでなく全国的にも人気が高まりするするスルルーを始める方は増えてきております。各メーカーからもするするスルルー用の竿やウキが出てきていることもその人気を物語っている理由の一つです。
するするスルルーの魅力や必要な道具について学んだところで、早速するするスルルーを始めてみよう!
- 沖縄で生まれたするするスルルーは、全誘導仕掛けにキビナゴをつけて大型のフィッシュイーターを狙う釣り!
- 回遊魚から根魚まで色々な魚種が狙える!
- 竿やリールは大きな魚の強烈な引きにも耐えるするするスルルー専用のものを使うべし!
- 仕掛けはシンプルなので、ラインと針が結ぶことができれば初心者でも簡単にできる!